あわぎんホール 徳島県郷土文化会館

阿波木偶資料館

阿波農村舞台について
江戸時代から明治時代にかけて、人形浄瑠璃をはじめとする様々な芸能を、鑑賞するだけでなく自らも参加して楽しむことを目的に、村人が力を合わせて造り上げ、村全体で維持してきたのが「農村舞台」です。神社の境内で鎮守の森に覆われてひっそりと建つ、その素朴なたたずまいは、都会の近代的な劇場では決して味わうことのできない雰囲気を有しています。 かつては、年中行事として人形芝居や浄瑠璃大会、歌舞伎、ならし芝居(地芝居・素人芝居)などが催されるとともに、寄合や若連中の集会場、祭りの宴会場など、さまざまな役割を果たす、村のコミュニティセンターとして機能していました。
徳島県の農村舞台の特徴ある機能としてカラクリがあります。カラクリとは、一般に機械仕掛けやゼンマイを使って、人形や舞台の一部を変化させて見せるものですが、徳島県でカラクリと呼んでいるのは、人形芝居の背景として使用する襖絵を動かせて見せるものです。人形芝居の背景になる襖絵を、中央から左右に開けたり、回転させたり、上へ引き上げたりして瞬時に別景色を作り出すこの「襖カラクリ」はそれ自体が呼び物となっており、現在でも大変に人気があります。
展示コンセプト
当資料館の展示は、資料を体系的に網羅し配置する展示ではなく、ストーリー性を持たせて資料を配置する展示となっております。
そしてそのストーリー性のもととなるモチーフが、徳島県が全国に誇る有形民俗文化財の「阿波農村舞台」。さらに、「普段では入ることの難しい楽屋裏から農村舞台へ来場していただく」というコンセプトのもと、展示コーナーが創設されております。それぞれの展示スペースにて、様々な演出を施された阿波木偶達が、「阿波の人形師」を含めた阿波人形浄瑠璃の様々な側面をスポットライトで照らしだしてくれます。阿波人形浄瑠璃の世界を存分にご堪能下さい。
展示案内
〔Room A〕
農村舞台の楽屋裏(楽屋)
この部屋は、通常では入ることが難しい農村舞台の楽屋裏をイメージした展示コーナーとなっております。薄暗いはだか電球の灯りの下、竹竿にかかった木偶衣装や小道具類、木偶や衣装を保管する箱、年代物の民俗資料、出演の出番を待つ木偶などが、リアルに再現された楽屋裏でみなさまのご来館をお待ちしております。

〔Room B〕
阿波人形浄瑠璃の世界〈夜の農村舞台〉
この部屋は、農村舞台をイメージした展示コーナーとなっております。舞台上にはスクリーンが設置され、阿波人形浄瑠璃に関連する映像が流れます。中央には当資料館のイメージキャラクターの恵比寿が展示され、周囲の展示スペースには、様々な木偶が種類別・外題別に展示されております。共に、様々な演出が施されており、阿波木偶の魅力を堪能できる空間になっております。

展示スペース(1)
阿波の人形師の祖と言われている馬乃瀬駒蔵の木偶カシラなど江戸時代作の古い木偶カシラ等を展示。

展示スペース(2)
木偶カシラを種類別に展示。初代天狗久作の木偶カシラなどが、「覗く」をモチーフとした演出のもと展示されており、みなさまのお目にかかることを心待ちにしております。

展示スペース(3)
外題別に阿波木偶を展示。阿波人形浄瑠璃で演じられる代表的な外題の一場面を衣装付の阿波木偶が華麗に表現しております。
利用案内
■開館時間    9:30~17:00(入館は16:30まで)
■観覧料     無料
■休館日     12月29日から翌年1月3日まで
■臨時休館日   隔月1回(事前にお問い合わせください) ※このほか、展示替えなど必要に応じて閉館することがあります。
■問い合わせ先  あわぎんホール(徳島県郷土文化会館) TEL:088-622-8121