あわぎんホール 徳島県郷土文化会館

阿波木偶資料館

財団所蔵木偶概要
財団法人徳島県文化振興財団が所蔵する人形浄瑠璃関係資料は、(1)購入木偶、(2)京屋コレクション、(3)中島コレクション、(4)新居コレクション、(5)岡花座旧蔵衣装類等、(6)その他寄贈資料から成り、総数600点(内木偶カシラ165点)あまりとなっており、全国でも類を見ないほどの所蔵数を誇ります。

内訳をみてみますと、(1)購入木偶は、徳島県郷土文化会館が昭和46年度から47年度にかけて購入したもので、その中には徳島県指定文化財の妲己カシラ等が含まれます。

(2)の京屋コレクションは、昭和51年度に京屋代表取締役埴渕一氏より一括寄贈されたもので、木偶カシラ45点、衣装小道具ついては219点にものぼります。

(3)の中島コレクションは、平成元年度に小松島市在住の実業家中島源氏より寄贈されたもので、木偶カシラ97点、衣装小道具31点となっております。

(4)の新居コレクションは、平成3年度に徳島市西船場の新居猛氏より寄贈されたもので、木偶カシラ5点となっております。

(5)の岡花座旧蔵衣装類等は、平成元年度に阿南市新野町の岡花座より寄贈されたもので、衣装類が171点となっております。

(6)のその他寄贈資料については、高草礼子氏、近藤隆之氏、日本たばこ産業株式会社、星田道子氏、渡辺文恵氏から寄贈いただいた木偶カシラ5点となっております。
阿波人形浄瑠璃について
人形浄瑠璃は江戸時代初期の17世紀初めに、三味線の伴奏で語られる義太夫節の浄瑠璃と人形芝居が結び付いて生まれた芸能です。
徳島藩主蜂須賀公(はちすかこう)の大坂夏の陣における戦功により、1615年に淡路島が徳島藩の所領になったことから、当時淡路島で盛んであった人形浄瑠璃が徳島にも伝えられました。淡路の人形座が頻繁に徳島に来て公演していたため、徳島では全国を巡業するようなプロの人形座は育ちませんでしたが、県内各地で村人たちが人形や道具を少しずつ買い集めて人形座をつくり、秋祭りなどに農村舞台で人形浄瑠璃を上演するようになりました。
その後、藍の栽培によって富を得た豪農たちが人形浄瑠璃を支援し、自らも浄瑠璃を語るなど、京都や大坂で人形浄瑠璃の人気が下火になった後も、徳島では、ますます盛んになっていきました。徳島での人形浄瑠璃の全盛期は、明治10年から20年頃と言われていますが、この頃、徳島では70を超える人形座がありました。
また、人形座のすき間をぬうように、全国津々浦々まで人形浄瑠璃の面白さを普及したのが1~2人で巡業する「箱廻し」であったと言われています。大正から昭和にかけて、活動写真や演劇などの流行に伴って、徳島でも次第に人形浄瑠璃の人気は衰退し、人形座も次々に解散に追いやられましたが、戦後、昭和21年に阿波人形浄瑠璃振興会が結成されたり、毎年夏に県下浄瑠璃大会が開催されるようになると、少しずつ人形座や太夫部屋も復活するようになりました。1999年には国の重要無形民俗文化財に指定され、今なお徳島における代表的な文化芸能としての地位を確立しています。
阿波農村舞台について
江戸時代から明治時代にかけて、人形浄瑠璃をはじめとする様々な芸能を、鑑賞するだけでなく自らも参加して楽しむことを目的に、村人が力を合わせて造り上げ、村全体で維持してきたのが「農村舞台」です。神社の境内で鎮守の森に覆われてひっそりと建つ、その素朴なたたずまいは、都会の近代的な劇場では決して味わうことのできない雰囲気を有しています。 かつては、年中行事として人形芝居や浄瑠璃大会、歌舞伎、ならし芝居(地芝居・素人芝居)などが催されるとともに、寄合や若連中の集会場、祭りの宴会場など、さまざまな役割を果たす、村のコミュニティセンターとして機能していました。
徳島県の農村舞台の特徴ある機能としてカラクリがあります。カラクリとは、一般に機械仕掛けやゼンマイを使って、人形や舞台の一部を変化させて見せるものですが、徳島県でカラクリと呼んでいるのは、人形芝居の背景として使用する襖絵を動かせて見せるものです。人形芝居の背景になる襖絵を、中央から左右に開けたり、回転させたり、上へ引き上げたりして瞬時に別景色を作り出すこの「襖カラクリ」はそれ自体が呼び物となっており、現在でも大変に人気があります。
展示コンセプト
当資料館の展示は、資料を体系的に網羅し配置する展示ではなく、ストーリー性を持たせて資料を配置する展示となっております。
そしてそのストーリー性のもととなるモチーフが、徳島県が全国に誇る有形民俗文化財の「阿波農村舞台」。さらに、「普段では入ることの難しい楽屋裏から農村舞台へ来場していただく」というコンセプトのもと、展示コーナーが創設されております。それぞれの展示スペースにて、様々な演出を施された阿波木偶達が、「阿波の人形師」を含めた阿波人形浄瑠璃の様々な側面をスポットライトで照らしだしてくれます。阿波人形浄瑠璃の世界を存分にご堪能下さい。
展示案内
〔Room A〕
農村舞台の楽屋裏(楽屋)
この部屋は、通常では入ることが難しい農村舞台の楽屋裏をイメージした展示コーナーとなっております。薄暗いはだか電球の灯りの下、竹竿にかかった木偶衣装や小道具類、木偶や衣装を保管する箱、年代物の民俗資料、出演の出番を待つ木偶などが、リアルに再現された楽屋裏でみなさまのご来館をお待ちしております。

〔Room B〕
阿波人形浄瑠璃の世界〈夜の農村舞台〉
この部屋は、農村舞台をイメージした展示コーナーとなっております。舞台上にはスクリーンが設置され、阿波人形浄瑠璃に関連する映像が流れます。中央には当資料館のイメージキャラクターの恵比寿が展示され、周囲の展示スペースには、様々な木偶が種類別・外題別に展示されております。共に、様々な演出が施されており、阿波木偶の魅力を堪能できる空間になっております。

展示スペース(1)
阿波の人形師の祖と言われている馬乃瀬駒蔵の木偶カシラなど江戸時代作の古い木偶カシラ等を展示。

展示スペース(2)
木偶カシラを種類別に展示。初代天狗久作の木偶カシラなどが、「覗く」をモチーフとした演出のもと展示されており、みなさまのお目にかかることを心待ちにしております。

展示スペース(3)
外題別に阿波木偶を展示。阿波人形浄瑠璃で演じられる代表的な外題の一場面を衣装付の阿波木偶が華麗に表現しております。
利用案内
■開館時間    9:30~17:00(入館は16:30まで)
■観覧料     無料
■休館日     12月29日から翌年1月3日まで
■臨時休館日   隔月1回(事前にお問い合わせください) ※このほか、展示替えなど必要に応じて閉館することがあります。
■問い合わせ先  あわぎんホール(徳島県郷土文化会館) TEL:088-622-8121